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2014年6月

2014/06/22

こぴっと、がんばれし!

ワールドカップが始まり、「こぴっと、がんばれし!」と声援を送っている人も多いのでは? これは、現在放映中の「花子とアン」で頻繁に登場する甲府の方言である。朝の連ドラはいつも幅広い層に人気なので、そこで使われる言葉の影響も大きい。今なら甲府の方言以外に女学生言葉がおもしろい。貧しい農家出身の花子は、特別に学費を免除され(その代わりに雑務を手伝うなどして)華族のお嬢様ばかりの女学校に行く。そこで話されている「ごきげんよう」や「よくってよ」を聞きながら、現在にも伝わる「女ことば」は、こういう女学校で生まれ、発展したのだろうかと思った。
ちょうど「翻訳がつくる日本語 ヒロインは『女ことば』を話し続ける」(中村桃子著)を読んでいたこともあり、こういう言葉がいつの時代まで使われていたんだろう、とかあれこれ考えている。

あと不思議なのが、別れ際のジェスチャー。わたしたちはバイバイと言いながら、手のひらを相手に向けて左右に揺らすのが普通だと思う。でも、花子たちは左右ではなく、前後に動かしている。よく皇族がされているように。ジェスチャーも言葉と一緒で、日本古来のものや、海外から入ってきたものが混在しているのかもしれない。

ドラマのほうは、ようやく花子が翻訳の仕事を始めたところでおもしろくなってきた。イギリスから帰国したばかりという男性から、本をプレゼントされたので、てっきりディケンズだろうと思ったら、マーク・トウェインだった。といっても、"The Prince and The Pauper"というタイトルを見ても、恥ずかしながら pauperの意味がわからなくて、どの作品かピンとこなかった。「王子と乞食」といわれたら、知ってるという人も多いだろう(※「乞食」は放送禁止用語なので取扱い注意)。

「現代アメリカ文学はマーク・トウェインの『ハックルベリー・フィン』から出発した」というのは、ヘミングウェイの有名な言葉である(…と文学史で習う)。特に、口語をそのまま文章にしたことで、情景を生き生きと描いたとされている。では、"The Prince and The Pauper"のほうはどうなんだろう。そもそも、これはイギリスが舞台の作品なので、イギリス英語を使っているはず。ちょっと読んでみたくなったので、iPadアプリでダウンロードして、ちらっと見たら、やっぱりthou,thy,theeの世界だった。パソコンなら、ココでイラストも含めて読むことができる。

ドラマの中で花子は、広辞苑よりはるかに大きくて分厚い辞書を引きながら、コツコツとこの作品を翻訳していた。教科書に主な単語の意味が載っていて、便利な電子辞書も持っている学生に、花子から活を入れてほしいものだ。「こぴっと、がんばれし!」

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2014/06/19

デスクトップが逆立ち

昨日、PCで作業中に突然、画面が真っ暗になり、え?と思った次の瞬間、戻ったと思ったら、デスクトップが丸ごと逆立ちしていた。非常事態なんだけど、逆さまの画面があまりに面白くて、わざわざ写真を撮ってしまった。ファイル内容がわかる写真はここにUPできないので、あまり面白くないけど証拠写真を1枚。
Img_8154_r_2

原因がわからないけれど、とりあえず再起動したら戻るかも・・・と思ったもののシャットダウンしようにも開いた状態のファイルを閉じるのに一苦労。カーソルを思う方向に動かせないのだ。動かしたい方向とは逆にマウスを動かすって、なかなか脳のトレーニングになるなあと思った。四苦八苦してやっと再起動したけど、逆立ち状態はそのまま。

それで、原因追究のため何をしてたっけ~?と思い出してみた。ちょうど、秀丸エディタで「BOX範囲指定」をしようと思ったけど、どのキーだったか忘れたので、適当に Ctrl と Altを押しながら矢印キーを動かしたのだった。で、同じようなことをやってみると、今度はデスクトップが寝た状態になった。なるほど。矢印キーのどれを使うかで向きが決まるらしい。

最初、逆さまになった画面を見たとき、お!これ、座席表に使える!と思った。座席固定クラスの座席表を作るときに、自分から見たものと、学生側から見たものの2種類を作るのが面倒だなあと思っていたので。でも、文字がひっくり返ってしまうから、やっぱり使えない。じゃ、この機能ってどういうときに利用するんだろう。

正常に戻った後、調べてみたら、これはインテル® グラフィックス・コントロール・パネルの機能ということです。詳細はこちら
不要なので無効にしておこう。無効にする方法はこちらをどうぞ。

今日は、非常勤のクラスがうまくゆかなくて、帰宅後どよ~んとしていたけど、オンライン英会話で気の合う先生と話して、こぴっとがんばろーという気になれた。わたしも逆立ちするくらい視点を変えて、あしたは新しい1日を迎えよう。

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2014/06/08

StingのTED Talk 鑑賞

久しぶりにTEDで勉強しようとアクセスしたら、なんとスティングの動画があった。 "How I started writing songs again"というタイトル。なんの気なしに見始めて惹きこまれ、その後、英語字幕を確認しながらもう一度見てしまった。



スティングが育った町には造船所があり、通りの先を巨大な船が塞いでいたという。バックに映された古びた写真は、たしかに「シュールリアルな光景」で、特に子どもの目から見ると、とてつもなく高くそびえる壁のように見えたんじゃないかと思う。
Shipyard_r

町の男たちのほとんどがそこで働いていた。スティングの祖父も。だから、自分もそうなる運命かと不安を抱いていたが、かれは絶対にここから脱出すると決めていた。
人生を共にするギターとの出会いは8歳のとき。錆びた弦が5本だけのおんぼろギターだったけど、それがかれを成功へと導いた。
でも、あるとき曲が書けなくなった("writer's block"って呼ぶと知った)。白紙のページに向き合う日々が数週間、数か月と延び、数年に及んだ。

曲作りはファウストの取引(Faustian pact)のようだというくだりがある。ゲーテの作品で有名なファウストは悪魔と取引をする。悪魔に魂を売るアメリカのブルースマンと同じだ。

スティングは以前のように自分のことを歌うのをやめた。そして、自分以外の、声を持たない人々の代わりに歌い始めた。かれらの立場に立ち、かれらの視点で世の中をみつめようとした。
自分のことを歌うのを止めて、じゃ、何を歌うのか。自分の知っていることなら歌える。。あれほど逃げ出したいと願った町、置き去りにした町に戻ることになるとは皮肉な話だ、とスティングは言う。
でも、そうした途端、音楽が、言葉があふれるように湧いてきた。それはまるで "a kind of projectile vomiting"つまり「噴き出す嘔吐物」のようだという表現にはオーディエンスも苦笑していた。

わしの名前は Jackie White...
突然、訛りのきつい造船工が語り始める。地球上で最大の船を造り上げたんだ、と誇らしげに。Jackie Whiteになりきったスティング、最後は朗々と歌い上げ、ミュージカルみたいやん。と思ったら、ホントにスティングのミュージカル"The Last Ship"がまもなくアメリカで初演を迎えるらしい。全然知らなかったけど、CDは昨年リリースされている。

グレーのTシャツ1枚でこんなにクールに見える人ってそういない。飾り気がなく、言葉に誠実さがにじみ出ている。壁にぶち当たり、訣別したはずの過去と再び対峙したスティングは、かれにしか語り得ない言葉を綴り、かれにしか紡ぎだせない音楽を奏でる。

TED Talkの最後は「知っていたら一緒に!」と "Message in a Bottle"を歌い出した。 "I hope that someone gets my/ Message in a bottle" かつて、壜に封じ込めたメッセージを、だれか拾い上げてほしいと歌ったスティング。
かれが故郷の町で拾い集めた声は、今、大西洋を超えて、確実に世界へ届けられるところだ。

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