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2010/02/13

サーカスのイメージ

日本語で先に読んだ本の原書を読もうとして、冒頭の一文で引っかかった。
The airport terminal is a circus of activitiy.

サーカス? そんな言葉あったっけ? 本は図書館に返した後だったので、すぐには確認できない。冒頭にサーカスなんていう言葉が出てきたり、含みのある文章だったりしたら、きっと印象に残ってるはず。どんな日本語だったのか気になって、図書館に行ったときに確かめたら、「空港ターミナルは行き交う人々であふれている」とあっさり始まっていた。

わたしが持っているサーカスのイメージには、寂しさが欠かせない。町にサーカスがやってきて、夢のような世界を繰り広げてくれるけれど、それはいつか去ってゆくもの。移動する者についてまわる、根なし草のようなイメージがある。一時期ハマっていた、ベネズエラ発のテレノベラ「カサンドラ」はロマ(ジプシー)のサーカス団の物語だった。サーカスといえばカサンドラ!というくらい刷り込まれた。ロマ自体が移動する人々なので、常に安住の地を求めている「途上」というイメージがある。あと、クラプトンの♪Circus Left Townも哀しみや寂しさと切り離せない。この曲は、クラプトンが4歳の息子を亡くしたときに作ったもの。

そんなサーカスのイメージを、作者は空港の雑踏に感じているような気がする(そして、行く先々で作者は、ここは自分の居場所ではないと感じる。)それはわたしの思い込みにすぎないのだけど、イメージを膨らませるのは読者の自由だし。ただ、英語で読めばそんなふうにイメージが膨らんだのに、日本語ではまったく印象に残らない一文だったということを考えると、翻訳って本当に難しいことなんだなあと思う。

今日は翻訳の仕事をしている学部時代の社会人仲間に会った。近いうちに大阪を脱出するという。寂しくなるなー。いろんな話ができる貴重な友人だったのに。でも、おめでたい話なので、一緒に喜んであげなくちゃね。おめでとー!

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コメント

<<The airport terminal is a circus of activitiy>>…気の利いた言い回しだなあ、と思いました。サーカス…。

乗換えなどで、しばらく空港で待たなくてはならない時には、僕は空港のソファに座って、行き交う人々を眺めて時間を過ごす事が多いんです。様々な顔、色、服、耳に入ってくる会話などで、まるで走馬灯の様ではないですか。

もう5年ほど前にNYCでサーカスを久しぶりに観ました。息を継ぐ間もなく、目まぐるしく変わる場面や技の数々。堪能して、一歩テントの外に出てしまうと、アッと言う間に、日常の風景と初夏の蒸し暑さが襲って来ました。たった、一枚の布がと内を分けていたのですね。まるでまぶたの皮膚一枚が、夢と覚醒を隔てていたように。

走馬灯を眺めるごとく、様々な光景をぼんやり眺めてメランコリックになっている自分も、フライトが近づけば、その光景の中に吸い込まれるわけですよね。

と、まあ、この一文から、柄にもなくこんなことを考えちまった俺です。

オギテツ

投稿: ogitetsu | 2010/02/14 02:57

♪ogitetsuさん
読者をぐいっと惹き込む一文ですよね!
関空ではちょっと彩りに欠けるのですが、アメリカの空港だと、ホントにさまざまな色や音が行き交っているんでしょうね。

>>気の利いた言い回しだなあ、と思いました。

ogitetsuさんの言葉↓も!wink

>>たった、一枚の布がと内を分けていたのですね。
>>まるでまぶたの皮膚一枚が、夢と覚醒を隔てていたように。

楽しい夢をみた朝は、ベッドの中でじっと目を閉じていたいですもんね。

投稿: miredo | 2010/02/14 12:57

Circusという言葉はもともと「丸い場所」という意味ですよね。ロンドンにはピカデリー・サーカスという広場がありますよね。原書(どういう本かわたしは知らないですが)のcircusを作者は、人が行き交う広場という意味で使っているのかもしれないし、翻訳者もそちらの意味で取ったのかも。でもcircusという言葉にはたしかに動物などを使う見せ物のサーカスの意味が強いし、読者がそれを連想するのは当然だから、翻訳でもそちらの連想を仄めかすような日本語が使えればよかったですよね。どんな単語も多重の意味やニュアンスがあって、それを別の言語で表すのはすごく難しいことでしょうねぇ。

投稿: 雪見 | 2010/02/15 11:49

♪雪見さん
なるほど~。著者はイギリスで育った人なので、そちらの意味が頭にあったかもしれないですね。activityも日本語にしづらい単語だし、こんな翻訳の宿題が出たら、たった一文で延々悩みそうです。
辞書を引いたとき、circusにはネガティブな用法もあると再認識しました(a media circusがその例)。わかってるつもりの単語でもこまめに調べないと落とし穴に落ちそうです。

投稿: miredo | 2010/02/15 19:39

こんにちは。お久しぶりです。
私も雪見さんと同じく、ピカデリー・サーカスをすぐに連想しました。

むかーし、「キャンディ・キャンディ」という漫画を読んでいた時、主人公キャンディが生れて初めてロンドンに出てきて、友人に市内を案内されているというシーンでの会話です。
友人「ここがピカデリー・サーカスだよ。」
キャンディ「へぇー、ここでサーカスやってるんだ。」
その時の友人の表情から、それはサーカスって意味じゃないんだとわかりました。

結構(今でもだけど)漫画からはいろんなことを学びましたね。

投稿: minka | 2010/02/20 20:35

♪minkaさん
お久しぶりー!
ロンドンっ子じゃないキャンディは、やっぱりピエロのいるサーカスを思い浮かべたんやね。

甥っ子に誕生日のプレゼントは何がいいか聞いたら、漫画の日本の歴史を指定されました。わたしも漫画で世界史の復習しようかなー。

投稿: miredo | 2010/02/20 23:06

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