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2010/02/01

声に出して読みたくない日本語

次の発表のためにある短編を読み始めて、えらいのに当たってしまったなあと思った。読む前にドクターのTAさんから「去勢の話で、むずかしいと思う…」と言われてたのだけど、eunuch、つまり中国の宦官にまつわる物語だった。昔々、歴史の授業で宦官という言葉は耳にしたことがあるけれど、宦官を送り出す親族や地域の人々の状況など、今回の作品は未知の世界を垣間見せてくれる。著者は中国人女性でアメリカの大学院(免疫学専攻)に進み、そのかたわらに英語で作品を書き始めたという。それで数々の賞を受賞しているのだからすごい。

作品によれば、宦官はGreat Papasと呼ばれているらしい。愛情が感じられる呼び名である。翻訳本では「ご先祖さま」となっていて、ちょっとニュアンスが違う気がする。訳者の方もあとがきで、この訳語に悩んだと書いておられる。元の中国語があって、著者がそれを英語で書き、さらにそこから日本語に翻訳するという工程を経ているので微妙なずれは当然出てくるだろう。授業では、まずあらすじを説明するのだけど、m@le r00tsに対応する日本語はあまり口にしたくない(ヘンなコメントが付くのを避けるために文字を一部置き換えています。あしからず。)ブンガクではphallocentrismという言葉も出てくるのだけど、これも日本語にするより、そのままカタカナ用語として読むほうが抵抗なく声に出せる。

それにしても、飢饉に見舞われた人々に独裁者(毛沢東)が出した指示は本当の話なんだろうか。ベルトを穴1つ分きつく締めよ! その次の年には、食料泥棒の雀と鼠を退治せよ!雀退治の方法もマニュアル人海戦術ですごい。人々は一斉に屋根に上がって銅鑼や太鼓を1日中打ち鳴らし、木にとまろうとする雀は旗で追い払う。つまり、雀に一息つく暇を与えないのだ。夜になると疲れ果てた雀が、雨のように降ってくる。それを拾い集めてディナーにするのだ。
この作品が収められている短編集"A Thousand Years of Good Prayers"の表題作は最近映画化されたらしい。せっかくなので他の作品も読んでみよう。日本語で。(^^;)

千年の祈り (新潮クレスト・ブックス)

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