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2008/09/03

20世紀 世界最高のダンディ

を決定する…というBSのTV番組を3月の終りに録画してたのだけど、この前の日曜日にやっと見た。ダンディを選ぶ審査員は以下の面々。
審査委員長:奥田瑛二
ピーター・バラカン(音楽部門)
佐野史郎(映画部門)
鹿島茂(芸術部門)
姜尚中(政治・思想部門)
高橋源一郎(文芸部門)

まず、各審査委員が担当部門で5人のダンディ候補を挙げて紹介。みんなで議論した後、投票によってその部門代表を決定。最後に各部門を代表するダンディ5人の中から、最高のダンディを決定するというしくみ。(故人であることが条件)
放映時間は3時間だったけど、実際の審査には8時間以上かかったらしい。途中でお弁当やおやつを食べて休憩するシーンも挿入されていた。
各部門のダンディ候補は以下のとおり。( )内は番組で表示された一言コメント。

<音楽部門>
マーヴィン・ゲイ(ソウルミュージックの革命児)
マイルス・デイヴィス(ジャズの帝王)
ジョン・レノン(音楽で世界を変えようとした詩人)
アーメット・アーティガン(20世紀ポップスをつくった男)
植木等(サラリーマン社会を笑い飛ばした昭和のスター)

<映画部門>
マルチェロ・マストロヤンニ(イタリアの色男)
佐分利信(飾らない名優)
岸田森(怪奇と幻想の個性派)
ロジェ・ヴァディム(恋多き監督)
川島雄三(喜劇映画の鬼才)

<芸術部門>
アメデオ・モディリアニ(悲劇の画家)
サルバドール・ダリ(シュルレアリスムの巨匠)
アンディ・ウォーホル(ポップアートの神様)
セルゲイ・ディアギレフ(バレエ界の名プロデューサー)
薩摩治郎八(パトロン道を極めた日本男児)

<政治・思想部門>
チェ・ゲバラ(夢想する永久革命家)
後藤新平(東京を創ったMr.インフラ)
周恩来(不倒翁と呼ばれた男)
カール・ヤスパース(ドイツ統一の基礎を築いた男)
エドワード・サイード(故国を喪失した哲学者)

<文学部門>
金子光晴(反骨とエロスの詩人)
吉行淳之介(「女」と「病」に愛された作家)
太宰治(ダメな人だからこそ 愛される文豪)
吉田健一(イギリス人のごときダンディズム)
田村隆一(人生の達人といわれた詩人)

ピーター・バラカンによるとダンディという英語は、どちらかというと否定的な意味で使われるらしい。審査員それぞれにダンディズムの捉え方も違うけど、反体制・反骨精神、禁欲的、悲哀感、ナンバー2であること、抑制の美学、等々のキーワードが出ていた。

さて、各部門代表のダンディ5人(マイルス、マストロヤンニ、ダリ、サイード、金子光晴)の中から、最終的に20世紀最高のダンディに選ばれたのは・・・
じゃじゃーん! エドワード・サイードだった!

佐野史郎が、自分はサイードなんて読むはずないのに、映画「Out of Place」を見て、かれに惹かれたとサイードの間口の広さを指摘していた。知人のJ先生(音楽教師・元バイオリニスト)もバレンボイムとの対談集を貸してあげたら、いたく感動してはった。そういえば、その日本語版を読みかけだったことを思い出した。さっさと読まなきゃ。

サイードを候補に挙げた姜尚中自身も、まさかこんなマイナーな人が…と結果にびっくりしてたけど、だれもが納得する結果でもあった。
わたし的には姜尚中に、あなたこそダンディで賞をあげたい。あのソフトな抑制のきいた語り口がたまらない。一方で、金子光春の晩年の話になったとき、自分も60歳になったら仕事をやめてハーレーにでも乗って、横着になりたい…とぼそっとつぶやいてたのがお茶目だった。

最後に感想をきかれた鹿島茂が、審査の経緯について「12人の怒れる男たち」を引き合いに出し、言葉で人を説得しうることがわかったと述べていたのがおもしろかった。

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コメント

ワタシ的には・・・
音楽部門はやっぱJohnでしょう。ECは人間として弱すぎ(笑)
映画部門の佐分利信・・・いいですねぇ。
芸術部門はダリもなかなかだけど、やっぱウォーホル。
政治は難しいなぁ。後藤新平が挙げられてるのはびっくり。
あえて挙げるなら・・・タイのプミポン国王(笑)
文学部門は田村隆一に1票。
私にとってダンディのイメージは「ぶれない」こと。
「千万人といえども割れ行かん」の気概を持って
本質を追求する人ですね。
田舎オヤジ部門に自薦でエントリーしようと思いましたが
残念ながらぶれまくりで失格です(^^;

ところで「竹のある風景」を拝読。
やっぱりそちら方面にお住まいでしたか(^_^)
ワタシの想像では風懐さんも大きな記念公園周辺に
お住まいなのではないかと・・・。
いや、ただの想像ですし、
それ以上探ろうというつもりももちろんありませんけど。

投稿: 風屋 | 2008/09/04 10:01

ダンディな男の音楽部門に植木等さんが入っているのは、さすが。植木さんのような粋でお洒落なエンターテイナーは日本ではなかなか出ないでしょう。審査員の方々のセンスは素晴らしいと思います。

投稿: 日本一平 | 2008/09/04 11:53

♪風屋さん
ECはちょっとねぇ(^^;)。それにブルーズとダンディはあんまり結びつかないような。。。うーん、そうでもないかな。。。
後藤新平は、今の政治家にぜひ見習ってほしいという声がありました。
風屋さんがおっしゃるように「ぶれない」ことって重要ポイントですね。姜尚中がサイードのことを、ぶれがないと指摘してました。一貫してアメリカの戦争を否定し続けた人です。
「竹のある風景」いつか見にきてくださいね!

投稿: miredo | 2008/09/04 23:37

♪日本一平さん
コメントありがとうございます。
番組では、審査員一同、植木等さんのことを絶賛してましたよ。書き忘れてましたが、審査員特別賞が植木さんに決まりました。
映画は今見てもおもしろいとか…一度、見ないといけないですね。

投稿: miredo | 2008/09/04 23:38

へぇ..
「誰~れもがみいんな知~っている」って人が並んでないあたり、なんかカンヌ映画祭のセレクションみたいな感じですね。

最近、新渡戸 稲造の「武士道」を読んでハマってしまいました。
この人もかなり「ダンディ」だと思います。

投稿: 司 | 2008/09/05 05:09

♪司さん
たしかに(^^;)>カンヌみたい。審査の途中がおもしろいので、もし再放送があったらぜひ見てくださいね。
「武士道」気になってるんです。そうですかー。ハマりますかー。司教授の「見栄道」もハマると思います!

投稿: miredo | 2008/09/05 21:05

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