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2006/10/11

「死ぬ瞬間―死とその過程について」

原題"On Death and Dying"という本の著者であるエリザベス・キューブラー・ロス(Elisabeth Kubler‐Ross)は終末期医療に取り組み、ホスピスが生まれる基盤をつくった精神科医である。彼女のドキュメンタリーを録画していたのだけど、これは見るタイミングを考えて…と後回しにしていた。欝々としていた先週のある夜、こういう救いようのない気分のときこそ(^^;)と思い立って見た。

キューブラー博士は、患者の声に耳を傾けようとしない医療の現場を問題視し、終末期の患者にも意見を述べる権利があると主張した。具体的には、大学の講義に終末期の患者を講師として迎え、キューブラー博士自身が質問をし、それに答えてもらうという形で、死と向き合う患者の心のケアを医療の課題として取組む道を開いた。1960年代(!)のことである。
患者の想いを理解し共感することが、医師にも求められる。それができてはじめて、患者に寄り添い支えることが可能となる。
そう。それができなかったから、私は母のことを思うとき、自分を許せないのだろう。

多くの患者とその家族を支え、心から感謝されたキューブラーだったが、脳卒中により左半身麻痺となってからの彼女は、それまでの彼女とは別人のようになり、友人も離れていったという。でも、番組でみた神に対し暴言を吐く彼女は、とても正直な素顔をみせているように感じた。早く死にたいと願っていた彼女は、自分にはまだ学ぶべき課題があるから死ねないのだと語った。それは世話をされる自分を受け入れること、自分を愛すること。
不自由な身体で生きた晩年の著書「ライフ・レッスン」を読んでみたいと思った。

今朝、父に付き添って病院に行った。検査の結果、嚥下障害との診断。悪化して栄養摂取が不十分になったら、胃に穴をあけて直接栄養剤を注入する必要がある。
やっとヨタヨタでも歩けるようになって、みんなで外食できたと思ったのに。でも、最近は嚥下リハビリに取り組んでいる病院も増えているようなので、できることはいろいろ試して、少しでも長く口から食べられるよう、父と一緒に努力したい。

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コメント

ちょっと考えさせられました。
私も病床の母に何もしてあげられないまま逝かれてしまい、後悔ばかりをずっと引きずっていました。
いや、今も思い出す度に悔恨の念に囚われます。

ああいったときに、一体どれくらいの人達が満足して看取ることが出来るのでしょうかね。
その時に自分の出来ることをしたつもりですが、それでも悔いは残ったなあ。

お母様の分までお父様を大事にしてあげてください。

投稿: さくま | 2006/10/13 12:55

♪さくまさん
コメントありがとうございます。うれしかったです。
私の場合、がんばったといっても、それは自己満足でしかなくて、母が望んでいたこととは違うのでは…と思うのです。当初の母の意志を尊重して、知らないふりを通したのですが、やっぱり、本当のこと知ってるよと伝えて、一緒に死と向き合うべきだったと思っています。そうしたら、もっともっと本音でいろんな話ができたような気がします。

口からモノを食べられないなんて言われると、さすがにまいりますね。でも、最近はインターネットのおかげで、すぐに役立つ情報を入手できるのでありがたいです。mixiには関連コミュもあったので、さっそく入会しました。いずれは自分の問題ですし。。。(^^;) 凹まずにがんばらなくては!

投稿: miredo | 2006/10/13 20:09

そうだったんですか。でも、多くの場合は自己満足の範疇から抜け出せないような気がします。その人じゃないから、本人が望むことなどわかるべくもありません。
色んな選択肢があって、でもきっとどれを選んでも後悔はするのかもしれないですね。

私も思い出すたびに考えてみたけど答えなど出るはずはなく。
でも、親の立場からすると子供に心配かけたくないと思うのは自然かなあ。私もきっと知らずに済むならって思うなあ。

ああすればよかった、こうすればよかったと思うことは私も情けないほどあります。誰だってあると思います。本当にドラマや小説のようには行かなくて、あまりにもあっけなくて愕然としました。

上手く書けないけど、自分を少し許してあげて下さい。

投稿: さくま | 2006/10/17 15:11

♪さくま さん、ありがとうございます。
ホントにあっけないですよね。そして、知らないうちに時間だけが過ぎて、1年近く記憶が途切れているようなかんじです。
あのあっけなさがいずれ自分にも…と思うと、たらたら生きてられないハズなんですけどねぇ。

投稿: miredo | 2006/10/18 00:04

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